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グラフとは


QC7つ道具の一つにグラフがあります。

グラフとは、文字や数字を平面的(もしくは立体的)に、その状態をある法則にしたがって図で表したものです。
文章を読んだり、数字を見ただけでは何を意味しているのか、つかみにくい場合があります。そこで、データを取ったらグラフ(図)として表すことで、大体のイメージがつかみ、次の解析の参考とします。

グラフには、円グラフ、棒グラフ、帯グラフ、折れ線グラフなど様々あります。それを一つずつ説明しても、退屈なだけなのでグラフを使った改善事例を紹介します。



 西堀栄三郎さんという統計的品質管理の大家が旭化成ベンベルグの慢性不良対策に時系列分析をした事例です(創造力―自然と技術の視点から 西堀 栄三郎 初版1990年 から引用しています)。
西堀さんは、むしろ第一次南極越冬隊の隊長としてご存知の方も多いかと思います(プロジェクトXでも紹介されていましたね)。また、世界で5番目に高いヤルン・カンという未踏峰の山の登山隊長や、チョモランマ登山隊の総隊長も勤めました。
その西堀さんが旭化成で講演した時に「慢性不良がある場合は、まず時系列分析だ」と言われたそうです。

その講演を聴いていた、旭化成のベンベルグの担当者が、時系列分析するだけで慢性不良が直るわけがないと言ったら、西堀さんが急遽次の講演をやめて、調べてくれることになりました。


 ベンベルグの製造工程では二十年来、できあがった糸の中に硬糸という不良が混じるという問題に悩まされていました。しかも、どうしてそうなるかの原因はまったくつかめていませんでした。
しかし、不良の糸が混ざったままで売るわけにもいかないので、できた糸を女工さん達が手触りでゴワゴワしていれば不良、しなやかであれば良品と選別していました。つまり、勘に頼る選別を行っていました。

西堀先生(以下、先生):「早速、不良のデータをとって見ましょう」ともちかけると、Aさん:「女の子の感情でもって、選り分けているデータなど役に多立つものですか?」と即座に反対されました。

先生:「やってみなければわからないでしょう。」と説得して、毎日取っているデータを持ってきてくださいとお願いしました。
数年分のデータがリヤカーに積まれて運ばれてきました。これをグラフに表すよう指示しました。

そして、別室で待っていたら、Bさんが「大変ですよ」と血相を変えて飛び込んできました。

不良のデータを時系列に直したところ、はっきりと特徴があるのがわかりました。
それは日頃の不良率には顕著な変化はみられないが、ある日突然パッと上がり徐々に減少して、しばらく変化がない日が続くという、「不良率はある日突然上がる」という現象を示していました。

先生:この不良率がパッと高くなる日は何が起こっているのでしょうね。Bさん:あっ、それは台風が来た日ですよ。この日も、この日も・・・

先生:台風が来たら、一体どういうことが起こるのでしょうね。Bさん:川の水が台風になったら濁ります。その濁りが効くんじゃないですか。

そこで、川の濁りのデータを調べました。


確かに台風が来たときは川の濁りが増えているけど、その濁りは一日たつとスーッと消えていきます。

先生:似たようなカーブになっているけど、もうちょっとゆっくり下がっていくものは何か考えられませんか。


先生の重ねての質問にいろいろな意見が出てきました。その中に、「川の水嵩が不良率のグラフと同じになるんじゃないか」というものがありました。
Aさん:「工場で使う水はパイプで引いているのだから、水嵩が増えようが減ろうが関係ないよ。」
先生:「そうかもしれませんが、ノーならノー、イエスならイエスで、その裏づけを取りましょうよ。」
そこで、水嵩のデータがあるかないかを調べてもらうことにしました。ちょうど発電所にデータがありましたので、不良率のグラフと重ねてみました
すると、不思議なくらい一致したのです!

先生:「さあ、どうですか。あなた方はパイプで水を引いているから水嵩は関係ないといっていたでしょう。これをどう説明されますか。」

みな「不思議だ、不思議だ」と繰り返すばかりです。水嵩が増えたら、いったいどんなことが起こるんだろう・・・

するとまったくの素人Cさん:「天から降ってくる水は蒸留水ですね。川の水の中に、もともと何か成分が含まれていて、それが降ってきた蒸留水で薄められると考えたらどうでしょうか?」
なるほど、そう言われてみると一応の説明がつきます。そこで立証してみようということになって、試験用の機械を買って、蒸留水から始めました。
出てきた糸はゴワゴワの明らかに不良の糸でした。やっぱり、川の水の中にある何かの成分が効いているんだということで、片端から調べていきました。
試験を続けた結果、ケイ酸が効いていることが分かりました。

それからというもの、台風が来ても心配いらなくなりました。硬糸がでなければ、糸を検査する必要もなく、糸巻きのままで売りに出せるので、大きなコストダウンになりました。
しかも、台風の時だけでなく、日頃も用水にケイ酸を加えていたら、不良の硬糸が全然でなくなって、ますます細かいしなやかな糸ができるようになりました。この改善でベンベルグの輸出を非常に伸ばすことができたそうです。


まとめ慢性不良の対策の一つに時系列分析がある。不良原因を根気よく追求する。
ダメといわれても諦めない。
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管理人

品質改善コンサルタント-羽根田 修

羽根田修

ものづくりにおける不良低減・歩留り向上を支援するコンサルタント。
改善の視点や、品質管理、タグチメソッドといった手法を一緒に実践するため、クライアントの人材育成にも貢献している。

詳細プロフィール→  羽根田 修

羽根田が所属するコンサルティングファーム→  会社概要

羽根田運営サイト
3s4s5s.com
ものづくりにおける5Sの考え方や活動方法を提供するサイト。

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