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管理図とは

 管理図(シューハート管理図)とは、製造工程が統計的管理状態にあるかどうかを判断するためのグラフです。

製品の品質特性値はバラツクのが普通ですから、管理図は品質特性値のバラツキが異常原因(見逃せないバラツキ)か偶然原因(許しえるバラツキ)かを判定するためのツールになります。

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管理図は折れ線グラフに、2本の管理限界線(UCL、LCL)と1本の中心線を記入して作成します。品質特性値にくせがあったり、管理限界線の外に出たりすれば、異常原因があったことを示します。

計量値の管理図は、以下の種類があります(Xバーを単にXと表記しています)。

 X-R管理図:平均値と範囲
 X-s管理図:平均値と標準偏差
 Me-R管理図:中央値と範囲
 X-Rs管理図:個々の値と移動範囲

下図は、X-R管理図の例です。




管理図の視点は、
1.点がUCLとLCLの内(管理限界内という)にあること
2.点が管理限界内にあっても、点の散らばり方にくせのないこと。点は偶発的に点在すると考えます。

点の並び方のくせ
(1)中心線より片側に連続して現れる(連:レンという)
(2)傾向や周期がある。
(3)点がUCLとLCLに接近して現れる。
(4)点が中心線に接近して現れる。



管理図の作り方
下記の表のデータを基にX-R管理図を作ります。完成した管理図は上のグラフになります。
ここでのデータは1日5個(n)、20日(k)の計100個とします。


k データ(群)の大きさ(n=2〜6個) 平均X 範囲R
X1 X2 X3 X4 X5
1 19.19 19.18 19.18 19.12 19.19 19.17 0.07
2 19.22 19.17 19.22 19.20 19.13 19.19 0.09
3 19.19 19.14 19.21 19.18 19.16 19.18 0.07
4 19.14 19.12 19.17 19.22 19.22 19.17 0.10
5 19.21 19.17 19.19 19.19 19.18 19.19 0.04
6 19.20 19.19 19.23 19.16 19.15 19.19 0.08
7 19.19 19.16 19.17 19.23 19.19 19.19 0.07
8 19.15 19.24 19.19 19.20 19.17 19.19 0.09
9 19.14 19.26 19.18 19.18 19.20 19.19 0.12
10 19.29 19.20 19.16 19.16 19.16 19.19 0.13
11 19.18 19.17 19.14 19.12 19.17 19.16 0.06
12 19.18 19.22 19.21 19.17 19.19 19.19 0.05
13 19.12 19.20 19.18 19.22 19.19 19.18 0.10
14 19.19 19.13 19.16 19.22 19.18 19.18 0.09
15 19.20 19.19 19.15 19.14 19.29 19.19 0.15
16 19.19 19.16 19.24 19.26 19.20 19.21 0.10
17 19.23 19.17 19.19 19.18 19.16 19.19 0.07
18 19.16 19.23 19.20 19.18 19.16 19.19 0.07
19 19.15 19.19 19.17 19.20 19.16 19.17 0.05
20 19.19 19.14 19.21 19.18 19.16 19.18 0.07
↑データ(群)の数 k=20以上 合計 383.68 1.67
  平均 19.18 0.08
  ↑中心線↑

1.下記のデータを求める。
 各日の平均値
 20日間の総平均値(19.18) ← Xの中心線
 各日の範囲:最大値−最小値
 20日間の範囲の総平均値(0.08) ← Rの中心線


X-R管理図用係数表
A2 D4 D3
2 1.88 3.27 0
3 1.02 2.58 0
4 0.729 2.28 0
5 0.577 2.12 0

2.X管理図の管理限界線を求める。係数は上表を参照してください。
 UCL(上方管理限界)=X+A2xR=19.18+0.577x0.08=19.226
 LCL(下方管理限界)=X-A2xR=19.18-0.577x0.08=19.134

3.R管理図の管理限界線を求める。
 UCL=D4xR=2.11x0.08=0.169
 LCL=D3xR=0x0.08=0

以上で各項目の計算は終了です。後はエクセルを利用してグラフを描いてください。

 最後に、管理図を作成するのが目的ではありません。管理図により、異常原因によるバラツキを発見したら、再発防止対策をはかることが目的です。お間違えなく!

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